開発の歴史
β-グルカン培養液 研究開発者 元宮崎大学教授 農学博士 藤井 昇
β-グルカン培養液は動植物や微生物などに、いろいろな形で広く含まれています。この中で短時間で多量のグルカンを生産できるのは微生物多糖です。われわれがこの黒酵母のアウレオバシジウムの研究を始めたのは、三十数年前に製糖工場の原糖中の黒酵母を発見したのがきっかけでした。この黒酵母のグルカンの本格的な研究を始めたのが、今から約30年前になります。前半の10年間は基礎研究で、その後は応用研究を行いました。その結果、多くの黒酵母の中で私たちの菌株が最も多量の多糖β-1,3-1,6グルカンを生産し、多彩な性質があることが判明した結果、本格的な工場生産が開始されました。β-1,3-1,6グルカンは化学的、物性的にも他に見られない性質を有し、食品添加物として厚労省より認められています。さらに(株)ソフィの研究員によって、新しい培養方法が発明され、当初われわれが開発したβ-1,3-1,6グルカンより、更に特徴のあるβ-1,3-1,6グルカンが生産できるようになりました。技術的にも品質的にも高い(株)ソフィのβ-グルカン培養液は、新しい食品素材としてその食効性により、われわれの健康維持等、いわゆる機能性食品として積極的に広く生活の中で利用されるでしょう。
アウレオバシジウム培養液 β-グルカンの歴史
1977年 | 当時、宮崎大学農学部農業化学科応用微生物学研究室の藤井昇博らは、天然の汚水処理剤の研究を行っており、原糖中より優れた多糖生産能力を有する菌株を発見し、この菌株をアウレオバシジウム属菌(和名・黒酵母)の一種であると同定した。 |
1989年 | アウレオバシジウム培養液β‐グルカンの研究により、藤井先生が第25回宮崎日日新聞科学賞を受賞。 |
1996年 | アウレオバシジウム培養液(アウレオバシジウムの培養液から得られたβ-1,3-1,6グルカンを主成分とするものをいう)として、厚生労働省より食品添加物の許可を得る(いわゆる天然食品添加物である既存添加物リストに収載された)。これにより、広く食品の形で摂れるようになった。 |
2000年 | アウレオバシジウム培養液を利用した食品・食効等に関する技術を確立。 |
2002年 | 研究、開発の成果としてアウレオバシジウム培養液β-1,3-1,6グルカンの新培養液製造法が確立。生産が開始される。従来の培養液に比較して、β-1,3-1,6グルカン含有量が倍増され安定した品質のため市場は大きく拡大されつつある。 |
2002年〜2003年 | *アウレオバシジウムによるβ-グルカン生成 |